知的障害者のサポートで大切なこと

障害者へのサポートと言われて頭に浮かぶのは、車イスを押している姿や手が不自由な方のためにドアを開けたり、物をとってあげる姿などのイメージが一般的ではないでしょうか。しかし障害者サポートのリアルな現状はそれだけではありません。

身体に障害がある方のサポートは、上記のイメージに近いものがありますが、知的に障害を抱えている人のサポートは、より細やかな気遣いが必要になってきます。なぜなら知的に障害がある場合は、言葉での意思疎通ができないケースが多く、サポートする側が「相手のために何ができるのか」を常に考え、自発的に行動に移さなくてはならないからです。

「何をして欲しいのか」を言葉でやりとりできない場合、表情や仕草、体調などからサポートする側が提案し、促していかなければなりません。「トイレに行きますか」「気分は悪くないですか」などと声をかけて、その反応から相手の希望を汲み取っていくようなサポートが要求されます。

すぐにできるわけではありませんが、時間をかけて相手との信頼関係を築き、その上ではじめて通じ合うことができる瞬間を積み重ねていく根気のいる仕事です。

大変な仕事ですが、それだけに障害者サポートの現場で本当に求められている人材です。思い通りにならないことも、誤解されることもあります。それでも激さず、穏やかに粘り強く障害者の方に寄り添っていくことが求められます。そんな対応ができるサポートスタッフになれば、社会の人材として大変重宝されるでしょう。